存在しないプラトニックラブ

雑和失礼(ざわしつれい)といいます

2021・4・8の日記

 これといった大きな用事はない日だったので昼過ぎに起きて近所のカフェに行った。

 俺は基本的にカフェに行っても一番か二番目に安いものしか注文しない。ので大体の場合はドリップコーヒーかアイスラテになる。今日行ったカフェは武蔵の森珈琲というすかいらーく系列の高めの店で、サイズの無いラテ一杯で540円くらいする。

 セルフサービス式じゃないのでベルを押すと店員が注文を受けに来る。この時、(そういう風に指導されているのか)店員は片膝をつくかしゃがんだ状態で客の注文を聞くのだが、俺は人に自分より低い位置に来られるのが苦手なので正直やめてほしいと思う。

 そもそも俺は大学1年くらいの時に吉祥時でバイトを募集しているカフェというカフェに応募して面接を受けて片っ端から不採用になりまくったことがあり、ようやくのようやく採用になった近所(吉祥寺は結局全部の店に落ちた)のドトールのバイトすら仕事ができなさすぎて2週間くらいで電撃退職した男である。

そんなカフェチェーンの敵そのものみたいな男に対して、ドトール本社の(あるいは日本の飲食チェーン間で共有している)採用危険人物のブラックリストみたいなのがあったら確実に載っているであろう男に対して、社会適合者の対局に位置するカス人間に対して、高めの忙しい立派なカフェできちんと働いている人が、仕事であっても跪かないでほしい、と毎回思う。

 カフェで勉強するつもりが、2時間くらいひろゆきの切り抜き動画を見ただけで帰ってきてしまった。俺は就学してから13年間こんなことをずっと繰り返している。

 午後九時から、サークルのzoom新歓を練習する予定が入っていた。

 俺は人間が苦手だし、慣れない相手との適当な会話が下手くそすぎる癖に、むしろ人前で大声で喋ったりするのは苦手じゃないという一種の妖怪みたいな人間なので、先輩の作ってくれたパワポをもとに主な進行と説明を行う役を任されていた。

 練習中に猫がカメラに映りこんできて、他のメンバーにかわいいかわいいと言われていた。

 俺は自分の猫が本当に世界一かわいいと思っているので、他人に猫を褒められると「ありがとうございます」とかではなく「そうでしょ?そうなんです」と言う。なぜなら今俺の猫をかわいいと言った人間は、世辞やおべっかを言ったのではなく単に事実を口にしたに過ぎないからだ。
 しかし久しぶりに先輩や他のサークルメンバーと会って少し恐縮していたその時の俺は、「は」と「へ」の中間の音を2回繰り返して笑った。

 

 神楽坂鎖(@strong_hamster1)