存在しないプラトニックラブ

雑和失礼(ざわしつれい)といいます

富士そばよ

富士そばよ】 神楽坂 作詞:神楽坂

 

18の暮れ 高校の終わりに

通っていた塾が水道橋にあった

水道橋の 駅前の

富士そばにほとんど毎日通っていた

毎日食べた カツ丼の

あの味を私は 忘れやしない

忘れたくても 忘れられない

何故なら自宅の最寄りに富士そばが2軒できて

今となっては駅を跨がずとも週一くらいで行くから

忘れるとかじゃない

富士そばよ 私は

駅前の 古い服屋の看板を

レトロなクリーニング屋の面影を

奪ったお前を 許していない

許していないが 実際

富士そばのカツ丼は 美味すぎる

美味すぎるし 安すぎる

美味さと安さを高さに置き換えたところの

日本のスマホ代くらい 高すぎる

俺は高いカツ丼を食べたことないから

本当に美味いカツ丼は別にあるのかもしれないけど

今のところ俺が食べてきたカツ丼の中では

富士そばが一番いい

カツ丼自体も美味いし

ワカメが入った何かのスープみたいなのも美味い

あとピンクの大根がいい感じになってる

いい感じに

先日 帰った水道橋の

駅前に富士そばは無かった

2年前は確かにあったが

もうなんかの工事現場みたいな感じになっていた

なあ富士そばよ お前は何処に

駅前にできた二軒に お前はいるのかい

富士そばは移ろうものだから

客が入りそうなところにできて

入らなくなったら出てゆくだけのこと

渡鳥のようだね

富士そばは 渡鳥のようだね

旅って 人生のようだね

嗚呼富士そばや 嗚呼富士そば

水道橋の駅前 ドームより手前のパチ屋の正面

吸い殻を捨てられすぎて 

元がアスファルトだったのか

そもそもタバコで舗装された道なのか

わかんないくらい汚くなった道の前に

佇んであの日も 俺にカツ丼を食わせていた

一回だけカツ丼以外の蕎麦を頼んだことあったけど

蕎麦は別にだったね カツ丼は美味いけど

富士そばは常に演歌が流れていて

姿勢悪くカツ丼を食べてると

なんか背中で演歌を聴いてる感じになる

まだシフト入って4日目くらいのDOUTORのバイトを

やめようと思って店長に送ったLINEの文面を

書いている時 背中を押してくれたのは 

前川清だった

ただ「歩いて行こう」がうるさすぎて

ガチで集中できなかった

でもそれは富士そばのせいじゃない

まして前川清のせいでもない

何故なら富士そば

バイト辞めますLINEの文面を

考える場所じゃないから

考える場所じゃないから

最寄り駅前の富士そば

ちょうど市議会の泡沫議員が街宣するときの

ロータリーの目の前にあるから

その時期になると店内にいるだけで

街宣が全部聞こえてきてガチでうるさい

この前も泡沫議員の大声と

店内に流れる氷川きよしが戦っていた

いつのまにか店内曲のレパートリーに

「母」が加わっていた

 

【歩いて行こう】前川清 作詞作曲:紘毅

 

ラララ 出会いの数 何かがある

旅って人生のようだね

さあ旅が始まるよ

頑張ってきたお父さんも

いっぱい泣いたお母さんも

ほら素顔のままで

一緒に笑おう歌おう

春になれば 桜の川が流れてった

夏になれば 汗水かいて イビキまでかいてる

ラララ 歩いて行く 見たこともない道を行けば

ラララ 出会いの数 何かがある

旅って人生のようだね

さあ旅は続くよ

夢破れたお兄さんも

赤ちゃん抱いたお姉さんも

ほら素顔のままで

一緒に笑おう歌おう

秋になれば 松葉も枯れて空に舞った

冬になれば こたつにもぐって

またイビキかいてる

ラララ 歩いて行く 誰も知らない道を行けば

ラララ 別れの数 強くなれる

旅って人生のようだね

ラララ 歩いて行く 見たこともない道を行けば

ラララ 出会いの数 何かがある

旅って人生のようだね

 

【母】 氷川きよし 作詞:なかにし礼

          作曲:杉本眞人

 

離れていても そばにいてくれる

淋しくなると つい呼んでしまう

その人の名は・・・

母 ぼくの母さん

・・・・・・・

ぼくはまだ未熟者で

心配のかけどおしだ

だけど母さん 見ていておくれ

ぼくはやるよ 何事かをなすよ

希望の星を 追いかけろ

あきらめなければ 負けないと

励ましつづけてくれた人

ああ 母ありてこそ 母ありてこそ

だから母さん

生きていてください 永遠(とこしえ)に――。

嬉しい時は 分かちあいたくて

空に向かって つい呼んでしまう

その人の名は・・・

母 ぼくの母さん

ぼくはこの道ひとすじ

まっしぐら突き進むよ

ぼくの心の 命ずるままに

生きてこその 人生じゃないかな

世界を敵にまわしても

私はお前の味方だと

涙で誓ってくれた人

ああ 母ありてこそ 母ありてこそ

だから母さん

生きていてください 永遠に――。

希望の星を 追いかけろ

あきらめなければ 負けないと

励ましつづけてくれた人

ああ 母ありてこそ 母ありてこそ

だから母さん

生きていてください 永遠に――。

だから母さん

生きていてください 永遠に――。