存在しないプラトニックラブ

雑和失礼(ざわしつれい)といいます

超極端関白宣言

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お前の戸籍を 奪う前に 

言っておきたいことがある

心の傷を 抉っていくが 

俺の全部を 受け入れろ

お前は今後寝てはいけない

そのうえなんと起きてもいけない

家庭料理でミシュランの3ツ星を獲れ

生ける女神となれ

できる範囲で構わないから

 

ロボトミーで直接憶えろ

仕事もできない男に

なし得ることなど 一つもないってこと

お前は唯一無二で

他の誰にも代われないのだから

一つとして口出しすることなく

一切何も喋らず俺について来い

 

お前の親と

俺の親と

ゲノム的に同一人物だ

死ぬまで養え

姑小姑 お前が一人二役でやれ

エビでもできる 愛すればいい

人の悪口 根絶やしにしろ

嫉妬をしたなら もう自殺しろ

俺は浮気だけは絶対にしない

浮気をするか死ぬかと言われたら死ぬ

確率で言えば浮気しない方が優勢

俺は浮気をするために生まれてきた

 

幸福は2人で育てるもので

どちらかが苦労して繕うものではないはず

お前は俺の処へ

自らの一族を根絶やしにして来るのだから

もはやこの星に安息の地はないと思え

これから俺がお前の生きる意味そのもの

 

子供が育って歳をとったら

お前はもはや死んではいけない

摂理を外れ不死の異形となり

永久の時を生きなければいけない

俺のために古墳を建て

両手両足で俺の手を握り

その涙は三日三晩流れ続けて恵みの川となったみたいな神話になれ

お前のおかげでいい人生だったと

俺が言うから 死んでるにもかかわらず言うから

後世に書き残せ 俺の愛する女は

もはやこの世界で女と呼べる存在は

永久に お前ただ1人

これだけを念頭に存在し続けろ 他の生物が地球上から全部滅び去った今となっては

女という概念が示す唯一の存在は

永久に お前ただ1人

 

 

 

 

スタンド使いのゴキブリと遭遇した話

 その日、俺はテレビを見ながら食事をしていた。テレビでは菓子メーカー・不二家の工場に潜入し、カントリーマアムのチョコまみれを作る製造過程に密着している様子が写っていた。俺はそれを見ながら、ポークチャップをおかずに白米をもりもりと食べていたのだ。

 ファサ…♡という、落ち葉が地面に落ちるような音を聞いた気がした。

 秋だな、と思った。最近はまた暑さがぶり返しているが、もう9月の半ばも過ぎた。落ち葉の季節だ。

 しかしよく考えてみると、俺の家の中に木は生えていない。したがって家の中で落ち葉が落ちることもなかなか考えられないのだ。

 ふと音のした方を見てみると、そこには普通の人間ぐらいの大きさのクロゴキブリがいた。

 俺だって信じられない。しかし今まで俺が見て来たゴキブリの中でダントツに大きかった。当然だ。人間ぐらい大きいゴキブリなど聞いた事がない。思わずゴキブリに「噓でしょ?」と聞いてしまった。

 返事は無かった。これだけ大きければもう話し合いで何とかなるのではないかという淡い期待もあったが、いくら大きさが人間と同じでもゴキブリはゴキブリである。話は通じないようだ。

 まあ正直、人間ぐらい大きいというのは嘘だ。嘘というか、俺はゴキブリが世界で一番嫌いなので、急に出現されると恐怖のあまり普通より大きく見えてしまう。人間は基本的にそうで、犯罪の現場に臨場した警察官が被害者から被疑者の身長を聞く際、供述した身長よりも実際は低いものとして参照する、という話もある。

 なのでまあ、実際に人間と同じくらい大きかったということはない。しかしそれでもiphone13くらいはあった。これは本当なので信じてもらいたい。

 俺は最初それがゴキブリだとは信じたくなかったが、言葉が通じないことから人間ではないし、うちにiphone13は無い。髪の毛にそっくりな触覚が動いている様子を見ても、残念ながらゴキブリであると考える以外に無いようであった。

 真っ白になりかけた頭で母に通報し、俺の部屋に入られることだけは死んでも阻止しなければならないのでとっさに自室の扉を閉めた。この間約0.5秒。

 部屋の扉を閉める際、仕方ないのだが一瞬だけゴキブリから目を離すことになる。その一瞬、一歩だけ動いて扉を閉めて再び視線を戻すまでのその一瞬のあいだに、彼は忽然と姿を消したのだ。

 俺は悲鳴を上げそうになった。ゴキブリはこれだから嫌なのだ。しかし不幸中の幸い、ゴキジェットと泡ジェットの二つを持って臨場した母が彼を発見した。

 俺が最初に彼と対面したのは窓際の棚になっている部分の上。その右端のところだったのだが、彼は2m先の左端まで一瞬で移動していたのだった。

 左端の窓は半分ほど開いて網戸になっていたため、窓枠のレールに彼が挟まって身を隠そうとしている姿が俺にもかろうじて見える。俺は母から泡ジェットを借り、狙いを定めた。

 形容できない音とともに泡の線が発射され、かくして彼はレールごと泡の下に収まった。後は洗剤成分が彼の腹にある気門を塞いで窒息させるのを待つだけだ。ちなみに俺は虫が腹で呼吸している点も嫌いだった。

 我が家は昔からゴキブリ対策には泡のスプレーを使ってきた。今年に入ってすべての会社が泡で捕獲するタイプのスプレーを製造しなくなってしまったのは正直信じられない気持ちだ。今家にある泡の在庫がなくなってしまったら俺たちはどうすればいいのだろうか。

 まあそれは余談なのだが、かくして戦いは終わりを告げたものと思われた。しかしその直後、我々は信じられないものを目の当たりにすることとなる。

 彼を泡の下に葬って数分後、俺は終わっていない食事の残りをやっつけていた。そして泡の様子を確認しようとした母が、身の毛もよだつような恐ろしい事実を叫ぶ。

「もう一匹いる!」

 俺は飛び上がった。(本当は飛び上がっていない。ゆっくりと立ち上がったが、これは誇張を旨とする記号的表現である。以下にも続く)現場から少し離れたソファで夕飯の残りを食べていたところ、飛び上がった勢いのまま机を飛び越して母の下へと浮遊していったのだ。

 俺は母の指さす場所を見た。最初のゴキブリを泡の下に葬った場所の、まさに真上。つまり窓枠の上のレールである。

 そこに彼の姿はあった。大きさは先ほどと同じ、iphone13である。

 信じがたい事実だ。ゴキブリが巣をつくるのは知っているが、つがいや子連れで活動するなど聞いた事が無い。いまウチは配管が破れて排水が床下に流れ出していることが判明したため基礎の修復工事を行っており、地下で暮らしていた虫が難民となっているためか害虫の出現率が高くなっているのだが、しかしそれにしても、こんな規格外のクソデカゴキブリが同時に二匹出るなどということはあまりに考え難い。

 ここでひとつの可能性が頭をよぎった。

 最初からこいつ一人なのではないのか?

 思えば彼は最初、俺が目を離したほんの一瞬のうちに2メートルの距離を移動して見せた。そして泡で葬ったと思ったのも束の間、こうして新たなゴキブリが目の前に出現している。

 こいつ、何らかの能力を持った一匹のゴキブリなのではないか?例えばそう、時を止める能力。

 こいつ、スタンド使いなのではないか…?

 だとすれば一筋縄ではいかないはずである。少なくとも普通のゴキブリではない。

 俺は再び彼に狙いを定め、泡を発射した。今度こそ、奴が逃げるような様子は一切ない。完全に、泡に飲み込まれていく様子がこの目に見えたのだ。

 しかしまだだ。奴の死体を見るまでは安心できない。戦いはまだ終わっていないのだ。俺は重力に従ってゆっくりと降りてくる泡の塊をライトで照らしつけ、一瞬も目を離さずに観察した。

 やはりおかしい。今までの経験上、泡が溶けてここまで薄くなれば黒い死体の影が透けて見えるはずである。それなのに、ゆっくりと網戸を降下してくる白い塊の中には何かが入っている様子すら感じられないのだ。

「まだだ!まだ終わってないぞッ!」

 俺は確信した。奴はまだ生きている。この俺の泡攻撃から、何らかの手段を使って再び逃れたのだ。

「そこだッ!!窓の裏に居るゥーッ!」

 母が見つけた影にライトを当てると、半分開いた窓と網戸の間に奴の姿がぼんやりと浮かび上がった。この濡れたような黒い光の反射は間違いなく奴だ。

 30センチも離れていない地点から放たれた泡ジェットの噴射を躱したということは、スプレーから泡が発射されてから奴に到達するまでの「ほんの一瞬にすら満たないごく短い瞬間」のうちに、泡より速く動いて避けたということである。いくら動きが速くてキモいことで有名なゴキブリでもそんなことは不可能だ。

 これで確定した。奴は間違いなくスタンド使い。それも最強のスタンド、ザ・ワールドの能力。すなわち時間を止める能力である

 俺は仕方なく、殺虫成分で殺すタイプの缶(ゴキジェット)を手に取った。

 我々が殺虫成分のゴキブリ殺しを極力使わない理由は二つ。猫を飼っているのでなるべく避けたいのと、母が露骨に体調を崩すからだ。(そのため母が実はでっかいゴキブリであるという可能性もあるのだが、今のところ20年一緒に暮らしていてそれを思わせるような要素はゴキブリに有効な殺虫成分に弱いという点だけなので、恐らく人間だと思われる。)

 ゴキジェットを手に取り、窓と網戸の隙間に差し込んで噴射する。

 直後、殺虫成分の霧に容赦なく晒された奴は、「にょわ~~~~~!!!」という感じで暴れまわりながらめちゃめちゃキモい動きで網戸の上を四方八方に疾走し始めた。

 その動きを例えるならそう、コウメ太夫の動きを10倍速にした様子を想像してもらいたい。コウメならおもしろいだけだからいいが、実際にそれをやっているのはクソデカゴキブリである。「にょわ~はこっちだよ」と思った。

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 しかしいくら奴が時間を止める能力を持つスタンド使いとはいえ、点で捉える泡攻撃とは違って空間を支配する殺虫成分のスプレー攻撃は躱し切ることが出来なかったらしい。確実に効いたのだ。

 奴は網戸の上を走り回り、ついに窓の裏からこちら側まで出て来た。網戸の面で言えば確実に屋内に居るのだから必ずこうなるだろうとは思っていたが、やはり実際に出てこられると緊張するものだ。俺は「にょわ~〜〜〜〜!!」と思った。

 しかし直後、奴は網戸から転落して下のレールに落ちた。時を止めたのではない。落ちていく様子が俺の目にもしっかり映っていた。

 このチャンスを逃してはもう二度とこいつに勝つことはできないという確信があった。俺は構えていた泡ジェットの狙いをつけ、3度目の噴射を行った。

 当たったように見えたが相手はスタンド使いである。二度も躱された泡攻撃が今度こそ通用したという保証はもちろんない。俺はとっさに泡の周囲を見渡し、奴がまた時を止めて逃れた可能性を探った。

 姿は無い。泡はまだ溶けていないので中に居るのかも分からない。束の間の静寂の中で、俺は奴の気配だけを必死に探っていた。

 次の瞬間、泡の中から2本の手足が突き出てきた。いや、正確にはゴキブリに手は無いので2本の足である。その足はめちゃめちゃに暴れまわり、次第に周囲の泡をかき分けて他の足も出て来た。奴は時を止めていなかったのだ。

 しかしやはりスタンド使いである。この期に及んで泡を掻き分け、無理やりに出て来ようとする様子はまさにスタープラチナだった。もはや「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」という声も聞こえてくる。まさに3部の潜水艦内で襲ってきたスタンド「ハイプリエステス」の口の中から歯を全部叩き折って脱出した時のスタープラチナそのものだった。

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 しかしもう遅い。俺の手元にはいくらでも泡を追加できるスプレーが握られているのだ。いくら泡を殴ろうとも、すべての泡を吹き飛ばすことなど到底不可能である。

「もうおそい!脱出不可能よッ!」

 俺は再びスプレーを構え、全力を込めて容赦なく泡を追加した。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄アーーーッ!!!」

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「8秒経過!ウリイイイイヤアアアッーぶっつぶれよォォッ!!!」

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 かくして奴は泡の底へ埋もれていった。もはや奴がどんなに足を動かそうとも、外からは動きすら見えはしない。

 終わったのだ…。奴は俺のこの泡の下に完全に破れ去った。

 

 俺たちはそこから10分ほど、ひたすら泡を見つめていた。ありえない話だが、万が一にも「オラァ!」という声とともに目の前の泡が爆発四散し、中から現れたゴキブリが2足歩行でゆっくりとこっちに歩いてこようものならたまったものではない。今度こそ殺されてしまう。

 しかし奴が現れることは無かった。10分後に泡が溶けると、中からは奴の真っ黒な死体が出てきたのだ。

 かくして激闘は終わりを迎えた。終わったのだ。

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 最後に、泡タイプのゴキブリ殺しの制作を終了してしまった各社の皆様に一言だけお願いさせていただきたい。お願いだから泡タイプのやつを作ってください。いま家にある在庫がなくなってしまったら我が家は終わります。ゴキブリの支配下に落ちてしまうのです。

 緑地帯が異常に多いせいで毎年ゴキブリが出現する地域より願いを込めて

 

雑和失礼(@zawa_rude)

やばいクレーマーのHIROYUKI TV

 

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こちらが濃厚とんこつ豚無双さんの濃厚無双ラーメン海苔トッピングです 

いいんじゃないすか?笑

着席時 コップに水垢が付いていたのを見て

 えーと、首都圏でやる場合は特にそうなんですけど飲食店ってまず店のイメージが何より大事なんすよね。基本的にお客さんって内装とかの雰囲気で店を決めるので、料理以前の問題として特に席周りの清潔さとかには一番気をつけなきゃいけないので。なんでそこの部分がちゃんと出来てない店っていうのはラーメン以前の問題なんじゃないかな~と思います

とまくしたてたら 店員さんからの誠意でチャーシュー代をスパチャしてもらいました

おいらの気分次第でこの店論破することだってできるんだぞってことで

じゃ いただきまーす はい笑 じゃあまずはスープから

えーと笑

これでもかってくらいドロドロの濃厚スープの中には虫が入っており 怒りのあまり

 その~内装の話はさっきしたと思うんですけど、こういうスープの中に虫が入ってるみたいなのってもうやり尽くされたミスなんすよ。今家系っていうジャンル自体のレベルがかなり上がっていて、んで店同士の競争がめっちゃ激化しているこの時代に味とかこだわりとか以前の話として虫が入ってるみたいなレベルのベタなミスをやってしまうっていうのは、あんまりもうラーメン屋をやるのに向いてないんじゃないかな~と思いますけども

と言ってしまいました しまいました

すっかり店側も立場を弁え誠意のチャーシュースパチャをもらったところで お次に 圧倒的存在感の極太麺を

すする なんだろう。。。

ワシワシとした食感の麺の中には損害賠償請求訴訟の訴状が入っており

さすがにHIROYUKIもフランスへ飛んで行ってしまいました

ちなみに 店主さんがニコ生でボコボコにされている様子は是非切り抜きをご覧ください

 

 

 

 

 

父滅の刃 壱〜立志編〜

 幼稚園か小学低学年くらいの頃、親父と地元の祭りに行った。

 プラスチックの宝石みたいなのが金魚掬い用のプラ船に沢山広げられてるのをスコップで一回すくって持ち帰れるみたいな出店に行った。

 俺は車の形をした宝石と、少し離れた場所にあったシンプルな透明の宝石がどうしても同時に欲しかった。

 俺はスコップ一回で「車」と「透明」の2つをすくい取るべく、「車」を左手で直接つまんで「透明」の近くに移動させようと思い、ずっと手に持っていた(多分反則だけど的屋のおっさんは何も言わなかった)。


 俺が「車」を手に握りしめたまま「透明」を探している様子を見て、親父は俺が「車」をこっそりポケットに入れて万引きしようとしていると勘違いしたらしく、俺の左手を掴んで揺さぶりながら破茶滅茶に怒鳴りつけた。


俺は万引きなんかする気は毛頭なかったのに勘違いされたことが悔しくて、絶対に離すまいとばかりに余計ギッチギチに握りしめた。それが逆に親父の確信を強めたんだと思う。


 あまりの勢いに引き気味になった的屋のおっさんが「まあまあ」と宥めてくれたおかげで、結果として俺は「車」と「透明」の二つを手に入れられたわけだが嬉しくもなんともなかった。


 その時はショックが強すぎて言語化できなかったが、家に帰ってから親父に「僕は盗もうとしてたわけじゃない」と散々話したが一切聞き入れてもらえなかった。


 数年後、中学生くらいになってから親父と話をしてた時、「俺はお前が正直な人間になるように育ててきた、祭りでお前が盗みを働こうとした時も俺が正しい道に導いた」という旨のことを言うので、俺は「でも、あの時俺は本当に盗むつもりなかったんだ」と言った。


 親父は「仮にそうだとしても、誤解されるような格好をしていたお前が悪い」と言った。


 それに前後した中1くらいの頃、保険の授業で「タバコは主流煙よりフィルターを通さない副流煙の方が有害」と教わった俺は親父にそれを話した。

親父は絶対にそんなはずがないと言い、俺が論拠として保険の教科書まで見せても「ならその教科書が間違ってるし教師は嘘を教えてる」とまで言い切った。


 親父はよく自分を「理屈っぽい」と言っているが俺にはそうは思えない。相手の示したエビデンスを無根拠に否定してまで自分の考えを曲げない親父は、俺が見る限り感情の男であってロジカルな印象とは真逆だった。


 親父は稼ぎが少ない。

 元々は祖父の会社で社員をやっていたが、あるきっかけで退社してからはフリーのクリエイティブ・ディレクター(自称)として細々と広告の仕事をやっている。


 当然収入は少ないので、うちの生活費や俺の学費は祖父の収入から全て出してもらっていた。

 幸い祖父は資産家だったので俺と妹は何不自由なく暮らし、進学先にも困らなかった。


 俺の分析では、親父は自分が家に金を入れていないという負い目を常に感じるあまり、息子である俺に対して過剰に「父親」を演出しようとしていたように思う。


 小さい頃、旅行先で遊んだおもちゃを片付けずに寝ようとすれば全てめちゃくちゃに蹴飛ばされ、家族で出かけたレストランでコートを脱げと言われたとき寒いからと口答えしたらビンタされた。連れていかれた居酒屋でジュースをこぼしてもビンタされた(この時はめちゃくちゃ怒られただけかもしれない。記憶が曖昧)。


 小学高学年くらいになると親父はよく無意味な説教をした。「我が家の長男として」「男として」みたいな抽象的な内容だった。


 小さい頃に叱られるのは「僕が鈍臭いから、だらしないから」と思っていたが、その歳にもなると急に始まる脈絡のない説教に何の意味があるのかと違和感を感じ始め、それが顔に出るようになってしまった。


 一度、夜眠い時に親父の部屋で謎の説教をされた。親父は俺が眠い顔をしているのを見て「反抗的な目」と感じたらしく、いくら眠いだけだと否定しても「俺にはわかる、お前は俺に反抗している」と突っかかってきた。


 中学になってからも説教は続いた。

 家族でテレビを見た後、母と妹が寝室に行くと急に説教が始まった。

 俺は正直うんざりしていて、相槌を打つこともせず、なぜ急にそんな話を始めるのか?という違和感のあまり眉をひそめてしまった。

 返事もせずにずっと眉をひそめてる俺に痺れを切らした親父は急に「お前なんかに俺が超えられると思ってるのか」みたいなことを怒鳴りながら掴みかかってきた。


 俺はもう意味がわからず、とにかくこのキショい男をなんとかしたいと思って掴み合いになったが腕力では敵わなかった。

 ドタバタ音を聞きつけて母が起きてきた。その夜はどうやって解散したのか本当に覚えてない。

 俺は中高一貫の男子校に通っていたのだが、中三の秋、「高校からは別の学校に行かせてほしい」と親に相談した。

 いじめっ子といじめられっ子の両方と仲が良かったせいで完全な板挟みになり、耐えられなくなって高校から人間関係を一新したいと思ったのだった。

 そうなると本来払わなくてよかったはずの入学金を払わなければいけなくなったり、塾代や受験料もかかる。家の電気代と水道代しか払ってない親父がそんなもん払えるわけがなかった。

 そうすると当然、祖父に出してもらうことになる。親父はプライド的にそれが嫌だったのだと思う。それはもうめちゃめちゃに大反対してきた。

 ついには「俺だったら逃げ出さずに(いじめられている)その子を守るけどね」と言い出した。俺は、その子に会ったこともなければいじめの現場(先天的特徴に対する差別型のいじめだったので『いじめ』と表現するのが適切かはわからないが)を見たこともなく、俺がどれだけ苦労して考えて限界になったのかを知らない親父にそんな適当な事を言われたのがあまりに悔しかった。今思えば、それをきっかけに俺は親父に対して決定的な壁を作ったのではないかと思う。

 

 その他にもいろいろあった。

 俺の部屋に隣接するリビングで夜中にテレビを見ている親父に「音量を下げてくれ」と言ったら「人を動かす前に、まず自分がうるさく感じない工夫をするのが先だよね」と言われ、頭にきたので「そうだねごめんね」と感じ悪く言って部屋に帰ったら部屋の中まで追いかけてきて「親の言うことを聞けないようではまともな大人になれない」みたいな説教を延々とされたりなど。記憶に残ってるだけでも書き出そうとすればキリがない。


 親父は酒癖が悪かった。多分説教が始まる時も酒の臭いがしていた。


 俺が高校2年か3年くらいの頃、妹が作文のコンクールで入賞した。ちょっとした授賞式があり、家族全員で参加した。何人か記者が来るくらいのイベントだった。


 その日はちょうど季節的に今くらいで、授賞式会場が父方の祖母の家に近かったので報告がてら新年の挨拶をしようと祖母の家に行った。


 電車だったので親父はかなり飲み、帰る頃にはまっすぐ歩けない状態になっていた。

 俺と母はもうほとほとうんざりしていたので、帰りの駅や電車内で泥酔した親父をかなり邪険に扱ってしまった。


 次第に親父の機嫌が悪くなり、隣に座っている俺に対して「お前は俺を憎んでるんじゃないのか」「尊敬してないんだろう」みたいなことを言いながら絡んできた。

 俺もイライラして「そんなだらしない姿を見せられたら尊敬なんかできない」と言ってしまった。親父はキレて大暴れした。


 JRの駅で降り、ホームでは危険なので妹が肩を貸して親父を歩かせていたが、悪態をつきながらヘロヘロ歩く親父が怖くなって妹が泣き出したので俺が代わりに肩を貸した。


 ホームから改札に降りる階段に差し掛かった時、親父はさらに暴れた。「馬鹿にしやがってどいつもこいつも!!!ふざけんな!!!」と叫び始めたので俺は堪忍袋の尾が切れた。


 親父の胸ぐらを掴んで手すりに押しつけて、死ね!!!と怒鳴りつけた。親父はソ連の国旗くらい充血した涙目で俺を睨みつけていた。

 しばらく怒鳴りつけ、気力が抜けたので俺は父を離して階段を降り始めた。


 妹は号泣した。母も泣いていた。俺は祖母の顔が浮かんできて泣けてきた。祖母の息子に死ねと叫んでしまったことが申し訳なかった。

 親父はヘラヘラしながら妹にちょっかいをかけていた。

 

 その日はJRの駅からタクシーで帰った。家族全員泣いているし礼装なので葬式の帰りだと思われたんじゃないかと思う。


 家に帰ってからは怒鳴り合いになった。

 俺は別室に逃げてしまった。

 妹は仲裁しようとしたのか、怒鳴り合いの現場であるリビングに両親と一緒に居たが、小学生の娘に何ができるものでもなく、パニックで過呼吸を起こしてしまった。

 過呼吸で震えながら泣き続ける妹に、親父は「うるさい!!!!!」と怒鳴りつけた。

 母がもう別れると言ったのでマジで別れてくれと思ったが、結局妹のことを考えると片親にするのが憚られるとの理由で離婚はしなかった。


 その事件から数日間、母が親父にしばらく帰って来ないでくれと言ったので親父は3日ほど外泊した。

 その後、俺に謝罪の手紙を書いてよこした。


 「俺はお前を育てるのに気合を入れすぎて逆に傷つけてしまっていたらしい、申し訳ない。できるならもう一度お前の父親になるチャンスをくれ」みたいな内容だったと思う。手紙はどっかいったので確認できない。


 俺はまあ反省したならと思ってそれで良しとした。

 それでしばらくは何もなかったが、その一年後くらいに家族でデカめの旅行に行った帰り、空港で予定が狂ったことにイライラし始めた親父と喧嘩になった。

 喧嘩の末、親父は「俺は手紙まで書いて渡したのに、お前は実の親に死ねといったことを謝りもしない」と責めてきた。


 どうやら親父は俺が返事のお手紙を書いてくれると思っていたらしい。

 そんな流れの中で言いたくはなかったが、親父に死ねといったことについては俺も嫌な思い出だったのでそれについては謝った。


 親父は「実の親に死ねと言ったことに対して謝るのは当たり前であって、お前は本気で悪いと思ってない」みたいなことを言ってきたような気がする。キレすぎて記憶が曖昧になっている。とにかくその件で、親父は心底反省して手紙をよこしたんじゃなく「このゴタゴタを終わらせるため」に「譲歩した」のだということは身に染みてわかった。


 その後、親父は丸くなった。

 丸くなったとは言っても本来のパーソナリティからくる「自分の間違いを認めることができない」「自分が否定されると爆発的に怒る」といった点は意識的に変えようと思ってもできないようで(そもそも変える気がないのかもしれない)、大喧嘩とまではいかないいざこざはしょっちゅう起こった。

 たとえば同居している母方の祖母が車を買い替えた時、親父が「保険の話をきちんと聞いておいたほうがいい」と言うので納車日に俺がきっちり立ち会って担当の人から話を聞き、その日の夜に親父が「保険は大丈夫なのか」と聞くので「〇〇生命の最上グレードに入っているから大丈夫」と話して証明書の控えを見せた。親父は酔っていたためか証明書の内容が理解できなかったらしく、「こんな内容の保険はない」といって騒ぎ出した。俺がブチギレるのを必死に抑えて親切丁寧に説明したらようやく理解できたようで「なるほど…。じゃ、OK!」と言って謝りもせず部屋に帰っていった。

 そんなようなことが年に4回くらい起きた。

 親父は酔うと、人を小馬鹿にしたような喋り方をする。保険の時に話した内容で言うと「まずね、こんな、お前が言うみたいな、何から何までぜ〜んぶ保険がおりま〜すなんていう保険はありませ〜ん!大丈夫?」などと、半笑いで青筋を立てながらヘラヘラ喋るのである。

 

 まあそれはそれとして、俺に死ねと言われた事件以降、前後不覚になるほど酔うということは無くなったし、俺に対して過剰に説教や八つ当たりをしてくることも少なくはなっていた。

 しかしその代わり、事あるごとに俺と「話」をしようとしてくるようになった。

 つまり親父の中にはずっと息子に反発されたというしこりが残っていて、それを大人になった俺が「謝って」解消してくれるはずだという期待の押し付けだった。

 

 親父は「お前はまだ俺を憎んでる」「お前とのわだかまりを無くしたい」という旨を時々言う。


 俺は別にもう全然親父を憎んだりはしてなくて、20年間一緒に生活してきたわけだから当然愛している。遊んでもらった記憶だってもちろんある。

 もともと親父の親父(俺の父方の祖父)が酒浸りギャンブル漬けのカスだったらしく、よく家に借金取りが訪ねてきていたという話も聞いていたので、「母と妹を俺が守らなければ」という環境の中で育ったからこそ彼の「絶対に自分の間違いを認めない」みたいな我の強さが形成されたんじゃないか、という俺なりの分析もある。

 つまり、ただ親父という人間を包括的に認識した結果、別に理想的な人間ではないし尊敬できるところが多いわけでもないけど悪い人間ではないので「父親」として受容している、という認識なわけだが、親父はこの期に及んで俺に尊敬されたいし、親父の中の「父親」の理想像として自分を見てもらいたいようだった。


 つまり「あの時反発してごめん、責めてごめん」という言葉が欲しいのかもしれない。結局のところ自分が悪いとは微塵も思ってないのかもしれない。


 親父は「お前が子供の頃、お前を愛するあまり厳しく躾けようとして、愛情の裏返しで辛く当たってしまった。それがお前は許せないんだろう。申し訳なく思うが、決してお前を虐めたかったわけじゃない」と言う。


 俺は親父が、今までの自分の失態や汚点を美談にしてまとめようとしているように感じる。

 厳しくも優しく、論理的で尊敬できるという「親父にとっての理想の父親像」というエゴの押し付けを、「息子を愛するあまり厳しく当たってしまった」なんていう単純な美談に変換して決着させようとしているように感じる。


 息子が盗みを働こうとしていると思って馬鹿ほど叱り飛ばしたら勘違いだったけど俺は間違いを認めたくないので謝りませんでした、稼ぎが少ないからせめて父親らしいことがしたくて何度も何度も説教しました、父親として君臨したいから何かにつけてビンタしました、酔っ払って家族に当たり散らしたら息子にキレられました、という「自分に都合の悪い実態」は認めたくないが、それでも離れてしまった息子の心を取り戻してまた自分の思う理想の「父親」として尊敬してもらいたいあまり、「息子のことを想うあまり躾に厳しくなってしまい、恨まれた」という、単純で、なんなら「親からの愛を理解していない息子」に責任を押し付けているかのような認識に自分の中ですり替えてしまったのではないかと思う。


 今までの経験から思うに、親父はそういった自分に都合のよくなるような自己認識の書き換えをガチでやってのけるタイプなのでその可能性は十分ある。


 俺はこの前20歳になり、親父に「今度一緒に駅前のバーに行こう」と誘われた。

 俺はバーでまた「話をしよう」になるに決まってるので心底嫌だと思った。

 だいたい酒のせいで何度となく家庭をぶっ壊しそうになってるくせに今だにケロッとした顔で夕食にストゼロを持ってくるような奴が間違っても息子を酒の席に誘うなよとも思った。

(親父は多分軽〜中度のアルコール依存症で、仕事中だろうがリビングにいる時だろうが、家にいる時は必ず水割りの入った水筒を持ち歩いてちびちび飲んでいる。あと室内でキングサイズのピースを吸うので常に凄い臭いをさせてるし、その臭いを消そうとして部屋の中で線香まで焚くのでタバコと線香の混ざった臭いが俺の部屋まで昇ってくる)


 二十歳になった月、親父と2人きりになった時にまた例の話になった。

 自分は早死にするだろうし、息子としがらみを残したまま死にたくないらしい。

 例によって「手紙の返事」の話をされたので、もう俺は本当に心底いい加減決着をつけたいと思い、もう俺は親父を恨んだりしてないし、「はい、今許したのでもう今後は健全な親子関係です」という明確な線引きを求めるのも違うんじゃないか、ということを言った。

 

 それで一瞬納得したような態度を示した親父だったが、「俺はあの時の手紙で100パーセント悪いと思って謝ったわけじゃなくて、だから今度バーに行った時にお前から何かの形で返事があるんじゃないかと思ってる」と言った。


 俺はなんて女々しくてみっともない奴だろうと思った。今俺は「手紙の返事を求めてるなら無駄だ」ということを暗に伝えたばかりなのに、この期に及んでも聞こえなかったかのようなフリをして俺に「お前も謝れ」と言ってきている。

 

 俺はまた親父を一段下に見ることにせざるをえないようだった。 

 

 今度バーに行った時、涙目にでもなって、本当にしんみりした顔をしながら本心であるかのように「ずっと謝りたかった」「俺が親父からの愛の鞭を理解できてなかった」という話でもしてやれば俺はきっと、この心底くだらない呪縛から解放されるのだと思う。 

 しかしそれは半面、親父に対する決別でもある。正面からの相互理解を放棄して演技をし、本心にもない事を言って親父を納得させるという行為は、今後お前には一切の本心を明かしませんよという意思表明でもあるはずだ。

 俺は最後の試みとして、親父に今まで思っていた事を全て話そうかとも思う。バー店内という環境上、親父は暴れられないだろう。俺の予想では「そうか…やっぱり分かってもらえないか…悲しいな…」とか言って涙目で席を立って先に帰るんじゃないかと思う。家に帰ってから暴れるか、もしかすると自室で自殺する可能性まで考えられる。

 まあでも、もし親父が自殺したとしても、それは最後の最後に俺が正面から親父に向き合った結果なのだから、一つの結末として俺は咀嚼できるのではないか、なんて事も考えたりする。

 何にせよもう俺は終わらせたいのだ。

 

 

 

朝、俺が干渉しない予定としてのケーキ

なんとなく目が覚めた。なんとなく右足を左の方に動かすと右足の裏が何かに触れた。

こんな時、俺は「ウンコかな」と思う。目が覚めたらベッドの上にウンコがあるなんてことは通常ありえないのだが、俺は一緒に暮らしている猫が狂っており、ごくたまに俺のベッドの上でウンコをするので、ベッドの上に違和感を感じたらすぐ「ウンコかな」と疑う癖がついていた。

見てみるとウンコだった。それも1個とかではなく5個くらい置いてあった。

ベッドの上にウンコされるのは俺の人生で5回目くらいだが、やはり慣れない。これに慣れてしまったら俺は文化的生命体として終わるという意識があるのかもしれない。

昨日は2週間に1度のゼミ(一回4時間だし、俺は他の学生より勉強が遅れているのでかなり憂鬱)があり、それが終わった解放感と翌日が休日だということもあって午前5時くらいまで起きて酒を飲んでいた。

そして今朝午前9時過ぎに起きてウンコされていることが発覚した。恐らく悪臭で目が覚めたのだろうが、つまり4時間くらいしか寝ていない。処理してから寝直そうにも、ハイターで処理してシャワーに入ってベッドが乾くのを待ってというプロセスには最低でも1時間はかかり、さらに今日は昼過ぎに妹が家に友達を呼んでケーキを作るそうなのでそれまでには起きて家を出なければならず、二度寝は現実的と言えないようだった。

この機会だから、これを読んでいる人にはベッドにウンコされた時の対処法を教えておこうと思う。まず洗面器にハイター(塩素系の漂白剤なら何でもいい)をキャップ一杯入れて水を入れる。そこに雑巾か小さいタオルを浸して絞り、絞ったそのタオルでウンコされた部分を徹底的に叩く。この時、ビニール手袋を着けていないと指に塩素が染み付いて1日取れない。俺は先程も着けるのを忘れたので今日一日は塩素の匂いが取れない。

塩素の匂い。それはプールの匂いであり、ロクに泳げない俺が高校の水泳の検定で最後になってしまい、既に泳ぎ終わったクラスメートの男達から指さされて笑われながら溺れている時の匂いである。また、仕事ができなさすぎて(そして、慣れない仕事に対する根気と適応能力のない俺の甘ったれた性根のせいで)2週間で辞めたドトールのバイトのシフト上がりに店中の雑巾をかき集めて2階のバックヤードでブリーチにかける時の匂いである。

つまり、雨上がりの体育祭に漂う草いきれ、体育の授業後に運動部の男子が使っているあの意味のわからない消臭剤だか制汗剤だかのスプレーの鼻につく匂い、廊下ですれ違った女子の髪の匂い、できない会計の仕事をやらされて全部失敗してめちゃくちゃ怒られた生物部の部室(つまり生物室)に漂う死臭などと同じ、俺の社会不適合を象徴する匂いである。

そういえば高校一年の時に俺が告白したLINEを拡散した女子が男子水泳部のマネージャーだったからイメージ的にはその匂いでもある。

そもそも俺は運動部のマネージャー制度が大嫌いだ。突き詰めたところは別に生活の為でも何でもなく学生の趣味の延長でしかない運動部員が、その無意味な運動に集中するためだけにわざわざ同じ学生の時間を無償で割かせて「世話」をさせるなんてことが許されていいのか。

自分等が使ったユニフォームの洗濯くらい自分でやらせないとロクな人間に育たないのではないか。

何ならマネージャーなんて大した呼び方をするからいけない。マネジメントもやってるんだろうがそれでも仕事の大半は雑用だろう。世話係か無料雑用係とでも呼べばいかに連中が狂ったシステムを当然のように受け入れているのかが分かりやすいだろう。

こんなことを書いていると「運動部員が嫌いで八つ当たりしているだけでは」と言われるかもしれないが、そんなの、そうに決まっている。嫌いなものには噛み付くし嫌いじゃないものには噛みつかないだろうが。当たり前だ。馬鹿が。

世話される側の部員はまあいいだろうがマネージャーは何が楽しくてあれをやっているのか。貴重な学生時代の不可逆な時間を割いてまで男の世話をすることが楽しくてやってるんだとしたら何かの病気である。それでもってただ世話をされてきただけの男達が自分の世話をしてきた女と付き合ったりするのなら、それが肯定されるなら、それが美しいなら、それが正しいなら、それが青春なら、この国に中学高校なんて無くてもいいんじゃないか。死ね。死に腐れ馬鹿共が。

そんなことを言っていても本当に仕方ないし、妹の友達も来たので家を出て駅に行き、二駅先の駅ビルにある眼鏡屋に入った。ネットで目をつけていたサングラスの型番で検索したらこの店が出てきたので試着させてもらうつもりだった。

目当ての型番は無かった。同じ駅ビルの違う眼鏡店も見たがそこにも無かった。

帰り際、手動のドアを開けたタイミングで後ろからババア2人が来たので、ババア達が通れるようにドアを押さえておいてやった。ババア達は当たり前みたいな顔で引き続きくっちゃべっており、ありがとうの一言も会釈の一つもなかったのでババア達の背中に思い切り中指を立ててから俺も駅ビルを出た。

中指を立てた時、ちょうどビルに入ろうとしていた人が信じられないものを見る目で俺を見ていた。

最近運動不足なので二駅分は歩いて家に帰った。

寝不足と運動不足とマスクで息が一気に切れた。

 

 

逆夜に駆ける

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完全に浮いてくる動きで またあらゆる物質が凝固するのと同じ動きで

2人以外の全人類が共有する地底空間が凝縮するのと完全に同じ様子で

日本語における「さよなら」を除いたこの世のあらゆる言語に含有される全ての言葉だった

その終わりの来ない詠唱によってすら何一つピンと来なかった

日が上り始めた段階の地平線と君以外の全人類の物理的実体を除いた概念としての存在

フェンスのあの網目のところの菱形の部分以外を透過した状態で一部分も重なる事なく完全に独立していた

数十年という単位で毎日顔を合わせてさえ

私の心の表層の表層に触れることすらしてこなかった

他者を完全に圧倒する怒気を怒涛の濃度で発散させていた君は

目が無く、逆に目を除く顔面の全てのパーツから全てを飲み込む狂喜の様相を呈していたんだ

切り取られた一瞬においてのみ「時計の進む音」以外の全部の音を吸収する世界でたった一度だけ

発する慈愛に満ちた温かい有形力、あまりに静かな物理力に涙以外の全部の体液が身体中の穴という穴から確実に吸収されているからこそ

1人でも唯一無二な絶望を確定事項として見失ってしまう

びっくりするくらい静かな切り取られた1日に

笑いが止まらなくて腹筋が全部ちぎれてる君に

想像の完全な外側にある一切の光源が存在しない真っ暗闇としての昨日を

認識できない速さで終わる朝に飛び出していった後に

僕の手以外を今すぐ離しなさい さあ

何においても忘れたくないあまり全部の媒体を通じて世界中に発信した一瞬だけは

離れることによる冷気で凝固させるけども

巨大食人猛毒ゴキブリムカデザウルスの大群より怖いよ さっき日が沈んだから

今すぐ離れて完全な他人になろう

 

君以外の全人類に視認されている全ての事象から完全に目を背けている君があまりに好きだ

100匹の蝿を同時に咀嚼する半透明のカエルを見ているかのような

好きだった人がTwitterのbioに愛国者とか書いてるのを知った時のような

そんな君の顔以外の全身のパーツが狂おしいほど大好きだ

信じたくないのに純然たる事実として信じざるをえないことなど今後の人生において

もはや二度と無いんだからそのたび毎に狂喜乱舞して大笑いするのが君の運命だ

だからこそ絶対に次の瞬間には確実に僕ら以外の全人類が間違いなく 相互理解を完全に不可能として諦めることとなるさ その可能性を全く感じないよ

まだまだ足りないんだって 8時間たっぷり寝て起きたらハンターハンターが連載再開してた時くらい元気なんだって 洗練された動きで引っ込めた僕の足を万力の握力で握って絶対に離そうとしない君

まだ始まったばかりなんだって 帰ったら玄関に所得税贈与税のかからない7億円が置いてあった時くらい元気だなんて 虚偽の中でこそ僕は言いたくないんだ

ああ ほらまた「時計の鳴る音」以外の全部の音を同時に発する存在しない世界でたった一度だけ

君にだけは絶対に聴こえないよう全力で発声した全ての言葉 全部が何故か君にだけ聴こえてる

いい加減始めようだなんてさ 自分の意志のみに基づいて心の中でのみ思った時 君はようやく笑うのをやめて完全な真顔に戻った

全く一切の物音が聞こえてこない1日に笑いすぎて顔にある全部の穴から出血していた 目の無い僕が他の五感によって感じとる君の姿はあまりに醜悪だ 亜音速で終わりを迎える朝に涙腺から逆戻りしてきた涙ではない謎の体液も 君の「怒」以外の全ての感情を放棄した究極の真顔にぶつかって跳ね返ってくる ああ

光の速さであらゆる変貌を遂げるたった1日に 笑いすぎて全部の肋骨が折れて粉になった僕を 君は尋常じゃなく乱暴な動作で始まりという概念から弾き返す

「浮いてくるように」という以外の全ての形容詞を一切想起させない動きで 「凝固する」という言葉が誕生するきっかけとなった動きと完全に同じ様子で 晴れ渡った空を腐ったロイヤルミルクティーくらい澱んだ霧が一瞬にして覆い尽くす

忘れてしまうことだけは絶対に避けたくてこの世界の全部の媒体に掲載したたった一瞬の1日に すごい速さで引っ込めようとした君の足を全身全霊の力で弾き返す

全てを焼き尽くす地獄の熱風が地を這うかのようにゆっくりと通りすぎてゆく

二度と私の足に触れるような真似をするなよ

我々2人意外の全部の人間が朝の中にゆっくり飲み込まれてゆく

 

 

逆うっせぇわ

 

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「間違っている」という状態の本質とは 賢さとは

それが何か以外は直視したくない

完全に成長しきった劣等生

確信的故意のもと意図的な幼児退行を起こした

毛が生えたモチみたいな肉体衝動

予定調和的に持っていないはずがない

故に遊び尽くした 全てが飽和的に満ち足りている

満足しすぎて責任を追求する気にならない

単一目標に向かってまっすぐ突き進むTodaaaaaayyyyy

そこだけがどうしても納得いかないんです

一昔前のマイナー文化のみ偶然的に知らない

労働党の栄衰を自宅と職場で執拗に発信

腐り果てた性根で退社しtake a rest

無職と学生と自営業はやらなくて結構です

了解です

静かです 静かです 静かでございますね

そろそろ死にます

一つの分野においてのみ異常に秀でている

貴方以外の全員が確実に理解できることを示す科学的根拠があります

ああ「イチケイのカラス」の竹野内豊の顎髭くらい似合っていない

関わる者の情緒を完全に破壊するほど醜悪であり、しかし異なる側面から捉えれば今世紀を代表する傑作とも評価できるあの詩

静かです 静かです 静かでございますね

知能指数が全く同じ数値ですが21世紀の世界的経済格差くらい問題です

 

それゆえに私は全ての規範に対する代表的アンチテーゼとしての動物

暴力以外のコミュニケーション手段を知らない

しかし物理的存在としてのふわふわ言葉を

その尻からゆっくり吸い込んだとて

全く特筆するべき事がない そもそも動いてすらいない

あらゆる納得満足を浴びせられる全ての原点

マゾヒズムを徹底して貫く肉体

非常に楽しみでございますね

ノンアルコール飲料が入った瓶があれば十分待った後に全部こぼしなさい

特定の1人だけが持てなくなるように馬鹿ほど串刺しにしなさい

注文と会計以外の時は隅の方でひたすら丸くなっていなさい

全部の国の憲法、あるいはそれに代わる最高法規範に明記されている絶対NGのタブーです

了解です

静かです 静かです 静かでございますね

非常に良い香りのする肛門を全開に開いてください まだまだ足りないんです

相対的に評価すれば私なんかはもう発言権すら与えられるに相応しくないゴミカスです

今回が初見です 他に類を見ない完全なオリジナルの唯一表現

静かです 静かです 静かでございますね

キン骨マンくらい痩せこけたその体に花丸

静かです 静かです 静かでございますね

私以外の全人類が専門用語で言うところの馬鹿です

静かです 静かです 静かでございますね

全部の病気です

一つの分野においてのみ異常に秀でている

貴方以外の全員が確実に理解できることを示す科学的根拠があります

ああ相席食堂で地元の子供に声をかけて逃げられる長州力くらい面白い

いつになったら見せてもいいんでしょうかこの未来予想

静かです 静かです 静かでございますね

私だけは絶対に正しいという事実に疑いの余地はありませんけれども

そこだけはどうしても解決する必要があります

米中の対立くらい問題です